2006-01-01から1年間の記事一覧

15日に聞く

8月15日前後は毎年自分なりの戦争を考えるきっかけを作ってきた。インタビューに行ったり、ビデオを観たり・・。思えばそれは、先日書いた社会的風化ではなく、自分に向けての風化防止行為ではなかったかといま思う。 今年は連れ合いが夏休みをとっていて…

風化しない記憶

8月に入り、6日、9日と戦争とか原爆とかといった記述が多くなり、それは「死」というものを意識させられる季節にもなっている。人によってもたらされた死。だが、私自身の記憶にはなく、歴史に記録されたことがらからの死である。近年、そこにもうひとつ…

述懐

暑くて頭も働かない。やっと一部をまとめる。『芭蕉七部集』を読む会の報告。今回は<述懐>きゆる時は 氷もきえて はしる也 路通の歌からはじまる。 参考に 夏の夜や 崩れて明けし 冷やし物 芭蕉夏の夜の句会が明けると、一晩のうちに宴に用意された冷やし…

この偶然に意味はあるか

昼過ぎに内田樹氏の対談を聞きに行った。対談相手は釈さんというお坊さん。一応「現代霊性論」というお題だったのだが、気心が知れいている二人だったので、範囲の広い話になる。まず枕はネーミングの話。霊性を「現代」としたところがミソ。さらに「論」と…

喚起を促すツール

月一の朗読ゲーム。 読んだ文章は: ロイド・カーン『ホームワーク』/米原万理『真夜中の太陽』/三木のり平『のり平のパーッといきましょう』/Webより『イラン大統領から米国大統領への書簡』/橋本治『ぼくたちの近代史』/長新太絵本『くるぞくるぞ』/『THE …

デンマークの教育

友人Nさんが話をするというので、社会教育活動をされている清水満さん主催の会に参加した。もう一人のスピーカーは一児の母であり、日本語教師をされているというデンマーク在住の方で、興味深い話を聞いた。 デンマークは福祉の国なので、消費税は高いけれ…

対角線を引く

養老孟司氏の講演会終了後急いで新宿都庁前。麻布と新宿では街の雰囲気が違う。講師も今度は森達也氏。テイストはだいぶ違う。 テーマは最近彼がテーマにしている「メディアリテラシー」。 はじめに映画美学校の生徒のドキュメント作品を上映。新しい教科書…

文明は砂漠を作る

10日に聞いた養老孟司氏の講演会のまとめ。脳と身体は首で分かれていて、機能的には別物なのだそうだ。身体とは感覚のもので、「違い」を検知するようにできている。一方脳は分析的で「同じ」を検知するようにできている。動物は感覚を優先する生き物。危…

滞る理由

また日が空いてしまった。このところ、講演会に出席する機会が多く、まとめることがありすぎて、追いつかない状況なのである。整理されない情報が、脳内で渋滞している。早く流してあげなければ…。 と言っても、書いていないわけではない。頭を使わずにいけ…

アイヌの文化

友人からの案内で、アイヌの刺繍と絵本の語りを聞きにいった。アイヌの家系に生まれても、それを隠して生活している人が多いと聞く。作者の宇梶さんも60歳を過ぎてから急に物語を残そうと動き出したのだそうだ。その娘さんが、やはりアイヌの家系に育ち、…

「違い」の二段階

七夕ではないが、昨日久し振りのI氏と会い、ちょっと飲み。 彼とはときどきある会合や講演の場で合うが、じっくり話したことはなかった。 差し迫った用件があるわけではなかったので、取り留めのない話題は多岐に渡る。つながり続ける。気がつくと予定して…

7月4日との関係

新聞には北朝鮮がミサイルを発射したというニュース。日本というよりすぐに米国を思い出した。7月4日と言えば米国の建国記念日ではなかったか…。それを考慮してなら、スゴイネ。米国感情を逆なでするようなものだから。よくわからないなぁ。その前日、7月3日…

一言編集

27日事前ミーティング ・・・語るということから、他者と対面でき、自分と対面できる。何を知っていて、何を知っていないか。なにを好んで何を嫌っているか・・自分の今を知ることのシカケ。29日義母宅 ・・・生きる意志。一人暮らす義母のアクティブな生へ…

伊勢好きの芭蕉

unaスペースでの古典を読む会。今年は『芭蕉七部集』。連歌である。が、私たちのレベルでは読むだけで精一杯。なかなか句を味わうところまでいかない。そんなことで、この頃は「初夏の句」など発句を集めたものを読んでいる。 今回は「釈教」。説法ではなく…

笑える技

『べてるの家から吹く風』の出版記念の対談に行く。著者のソーシャルワーカー向谷地生良氏と田口ランディさん。向谷地氏はいまは大学でも教える身だが、北海道にある精神障害者の自立支援コミュニティ“べてるの家”をはじめた人である。そのいきさつをはじめ…

用の美と場所

友人Nさんと駒場で待ち合わせ。「日本民藝館に行こう」と誘われた。前回はあいにく閉館だったのでリベンジ。 ちょうど初代館長の柳宗悦蒐集展をやっていた。時代は李朝のものから、品は陶器や織物、掛け軸など、蒐集範囲の広さに驚く。圧倒される壷や皿の大…

“怒り”のゆくえ

朗読ゲームの報告のつづき。毎回感想が楽しみ。 読んだ文章は次のものたち。 松浦弥太郎『口笛サンドイッチ』、スティーブンスン『吉田松陰伝』、くどうなおこ『心の詩集』、宮沢章夫『呆然とする技術』、岡本敏子『恋愛芸術家』、酒井健『絵画と現代思想』…

継続「読めない歴史」

宮沢章夫という人を朗読ゲームで知った。なんともおかしなことを考える人である。今回読まれたひとつに「サンキュー」という短文があった。いまは閉店してしまったハンバーガーショップ。 その店では何かというと「サンキュー」で返答されたのだそうだ。宮沢…

ニッポンチャチャチャ

赴任先の連れ合いに電話をした。久しく海外出張していたからで、留守中の報告である。何分も話さないうちに「入れられた!」という声。先方はサッカー観戦しながらの電話であった。時々応答がなくなる。しばらくして「また入っちゃった」という声。電話をし…

あのころにいた連中

久々の高校同窓会in品川。 みんな同年齢(あたり前だけど)だと思うと気が楽である。 何十年ぶりのM君が参加。すぐわかった。「いまどんなことやっているの?」から話が広がる。一見硬い肩書きだが、青少年と向き合う仕事だという。興味深い話を聞かせても…

塞翁が馬?

午後から家出。 治療院で鍼灸を受ける。たっぷり時間をかけてもらい、時間超過で中野に即行。友人を待たせたまま、まず用件を済ませる。 友人とは久し振りだったのだが、時間が押してしまい、帰りの電車を一緒する。 体調を崩していたという彼の近況から。病…

精神梗塞にならないために

あることがあり、友人と長電話。 「それはもはや相手の問題ではなく、あなたの問題でしょ」とズバリ言われる。 まさにその通りなのである。相手とのコミュニケーションをどうのこうのという問題は、試みてきたことで、そろそろ自分自身の結論を出す時期では…

医療二態

さて、31日。 名前のつく病気はないとわかったのだが、釈然としない。からだの不調は自分でなんとかしなければ…と朝、以前に経絡のチェックや、鍼灸をしてもらった医療施設に電話をする。空き時間があって、すぐ診てもらえることになった。からだのしんど…

更新「病院嫌い」

6月である。 このところ通奏低音のように、頭痛がしていて、気になる症状もあった。で、家人の勧めもあり、30日に近くの病院に行ってみた。実は前日にも行っている。その日は連れ合いが早く家を出たので、朝の遅い私はチャンスとばかり意を決して行った。…

人間の持つ力

『9条どうでしょう』の文章を読んで以来、気に入っている町山智浩氏のブログ。過去ログを繰っていたら、こんな言葉に出会う。映画「ヒストリー・オブ・バイオレンス」監督クローネンバーグ氏のインタビューを引用したもの。「現実というのは一つではない。…

やわらかい服

友人の誘いで、新国立劇場「やわらかい服を着て」を観た。 作・演出永井愛。かたい服に対してのやわらかい服。かたい服とは軍服とか防弾服とかのメタファー。 こんなベタな作品が上演されていることに、まず驚きを感じた。まるでいま現在と同時進行のような…

あらたうと〜

unaでの江戸文化を味わう会。 『芭蕉七部集』から初夏の段を読む。視覚的な句が多く、窓外にきらきらゆれる若葉と紙面を行き来しながら味わった。ああ、ほんとうに生命溢れんばかりの季節。 「衣更え」から「若葉」、「麦」、「芥子」と移っていく。 衣更え…

子どもは判ってくれない

unaにてべてるの家のビデオ“ベリーオーディナリーピープル”を観る会。今回の参加者の平均年齢は、いつもより大幅アップしていた。そこにたまたま居合わせた古くからのお客さん。仕事の疲れを癒すかのように、いつもゆっくりしていってくださる。今日もお疲れ…

オノマトペ

今号の『文学界』は、3月に駒場で行なわれた国際シンポジウムの報告が掲載されている。四方田犬彦・柴田元幸氏らが企画し、各国から村上春樹作品の翻訳者が集った。私も参加したが、報告は翌日に行なわれたワークショップの模様だった。前日にもチラとは触…

マイペース改革

連休は家人のペースで過ごした。からだを動かすことを厭わないツレに伴いとても濃密なスケジュール。そのせいか、終わったら連休ボケのような状態。また自分のダラダラペースに戻ってしまい、ボーっとしている。 違うペースはしんどいところもあるが、自分の…