2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

厳しさから生まれる美しさ

三寒四温。からだがちょっとついていけてない。 unaで定例の朗読の会があり、そこで読まれた横尾忠則対談集『見えるものと観えないもの』が面白く、持ち主から借りてきた。早速帰りに広げて読んだのは梅原猛氏とのもの。夢の話から入り、イマジネーション、…

連歌の世界

今年から『芭蕉七部集』をC講師の道案内で読むことになり、連歌の世界を覗いているのだが、まあ、江戸の庶民の文化程度はたいしたものだといまさらに思う。いまより情報が取りにくかった状況にも関わらず、連歌にはいろいろな関係や隠喩が織り込まれている…

現代と過去を行き来する神話

四方田犬彦氏のwebマガジンを愛読している。そこにジャン・マリ・ギュスターヴ・ルクレジオの講演報告があった。 「パナマのインディオには、かつてこの地を大洪水が襲ったという伝承がある。彼らは、もう二度と世界に洪水が訪れませんようにという願いを、…

治療から修理に

主治医に聞くと7年ぶりだという歯科治療。 メンテ不足がたたり、二次的虫歯を作ってしまった。他の詰め物が取れたのをきっかけに、治療の覚悟をした。当然に神経を抜いて冠をかぶせるものと思っていたので半ば諦め、のんきにしていたのだ。実際そうなったの…

ぼんやりと立ち上がったもの

いしいしんじさんの話のつづき。と書いてみたものの、むずかしい。メモの文字と記憶をたどるが、つながりが曖昧。とりあえず書き出してみよう。彼はいま三浦半島から松本に居を移している。作品はその環境から生まれるのかとよく言われるが、作品の方が先に…

いいな、いしいしんじさん

1月にお聞きしたいしいしんじ氏の話。そのなかに最新の『ポーの話』がよく出てきたので、友人から貸りた。『麦踏みクーツェ』を読んで、「あんな物語の展開を書く人って、どんな人だろう」と深く興味を抱いていた。まず「普通の生活者である」ということを強…

アートとメディアにおける「批評性」

どなたかは失念してしまったが、「芸術とは『反権力』なんです。従って、芸術家はそうそう安穏な人生は送れないものです」と言っている人がいて「そうだよなぁ」と思っていたら、脳科学者の茂木健一郎氏がこのごろ盛んに批評性について言っている。「いま画…