2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

子どもに媚びない文化

知人Aさんが、山折哲雄『「歌」の精神史』を読んでの感想を書いていて、その中に北原白秋「金魚」が紹介されていた。 「金魚」 母さん、母さん、どこへ行た。 紅い金魚と遊びませう。 母さん、帰らぬ、さびしいな。 金魚を一匹突き殺す。 まだまだ、帰らぬ…

自分を透過させる

翻訳家柴田元幸。翻訳ものまで手が回らず、彼の作品はエッセイ程度しか読んでいないのだが、発起人のひとりであった、春樹本翻訳の国際シンポジウム以来、親しみを感じていた。その時、翻訳のおもしろさも知った。そんな折り、内田樹氏との翻訳対談の情報が…

編集以前

いわゆる文章などの編集にはまったく縁遠かった私だが、いま「編集」ということに、多大なる関心を抱いているのは、松岡正剛氏の影響である。「日常のすべては編集されている」と言われたこと。「編集工学」論である。 いま、編集する自己が自己なのであり、…

同属と他属

茂木脳講座の科学文献。前回は是枝対談だったが、その前は動物の社会的知性(Social Intelligence)について。例えば、チンパンジーは学習能力はあるが、人に対してのソーシャルスキルは犬の方があるという論文。「主人の目の動きで気持ちがわかる」といった…

当事者研究は一人ではできない(3

(つづき) べてるという名称も随分広まってきたとは言え、説明するのはなかなか難しい。川村医師はいまは「当事者研究」のべてるという位置付けをしようとしているようだ。べてるとはもともとキリスト教の「神の家」という意味なので、他にも名前が使われて…

医師の当事者研究

unaスペースで、べてる*1のビデオを見ての感想に「調子が悪い時の様子が、いつもビデオに映し出されている本人とはまったく別人だったので、驚いた。お金のあるなし、仕事の多忙により、そのプレッシャーから症状が悪くなるなんて、なんて繊細なのだろう」と…

当事者研究という視点

また日が空いてしまった。あたかも夏休みの宿題のように、厄介なものがあると、そこで安易なものに流れ、エネルギーのいるものがどんどんたまる。実際の季節も9月に入った。記憶から消えないために、早く。などと思いながら絵に描いたようなパターン。 ココ…

間に潜む魔物問題

「誰も知らない」の是枝監督×茂木健一郎 是枝氏との対談を楽しみにしていた。静かな語り口。相手の言葉を充分からだに入れて話すような“間”。真摯な振るまい。食事会で対面したが、ミーハーな自分の気持ちにブレーキがかかり、なかなか思うように話すことが…