治療から修理に

主治医に聞くと7年ぶりだという歯科治療。
メンテ不足がたたり、二次的虫歯を作ってしまった。他の詰め物が取れたのをきっかけに、治療の覚悟をした。当然に神経を抜いて冠をかぶせるものと思っていたので半ば諦め、のんきにしていたのだ。実際そうなったのだが、ドクターに「なんで来なかったの。もっと早く来ればすぐ終わったのに…」と何度も言われ、未練がでてきた。おしいことをした。一つの歯牙を自らの不徳のため、死に追いやってしまったのだ。

大げさな表現だが、つまり、歯科治療で神経を抜いたというわけである。しかし、死に追いやったというのは事実だ。歯にはそれぞれの根っこに血管を含む神経組織が入り込んでいて、そこから栄養や酸素を取り込んでいる。あの硬い歯もちゃんと生きているのである。それが、二次虫歯のため拡大して削りなおさなければならず、神経まで及んでしまう。そのために、まだ健全な組織を取り除かなければならなかった。神経を取るということは、もはやその歯には血が通わない、つまり死。歯牙としての形態は残るが、中はがらんどうの物質となるのだ。だから当然もろくなる。(とは言え、まだ周辺の支持組織は生きているのだが…)

ということなので、今後の治療は厳密に言えば、治療とは言えない。欠損した形態を機能可能な形態に修復する機能回復処置なのであり、医療というより、修理に近い。ああ、本当におしいことをした。(ゴメンナサイ)