子どもは判ってくれない

unaにてべてるの家「べてるの家」から吹く風のビデオ“ベリーオーディナリーピープル”を観る会。今回の参加者の平均年齢は、いつもより大幅アップしていた。そこにたまたま居合わせた古くからのお客さん。仕事の疲れを癒すかのように、いつもゆっくりしていってくださる。今日もお疲れの様子。
その間にビデオがスタートした。
観終わったあとで感想などを述べ合うのだが、彼はずっと目をつぶって寝ていたようなので迷って、一応は形式的に声をかけてみた。ところが、彼は饒舌に感想を述べたのだった。

目をつむっていたけれど、インパクトのある言葉が次々に飛び込んでくるので、聞き入ってしまったということだ。学生を教えている立場にある彼は、そこから一般社会の「普通でなさ加減」を問い、さらには学生とのコミュニケーションギャップを述べた。ちょうど、その朝、内田樹「おじさん」的思考ブログに同じようなことが書かれていて、可笑しかった。

たぶん年代も同じくらいかと思われる。内田氏はエビちゃんを知らなかったが、学生達は「フェミニズム」を知らなかった。その先鋒を切っている“上野千鶴子”の名も知らないという。内田氏の中ではにわかに信じられない出来事だったわけなのだ。
ビデオを一緒に観た彼は「70年代の話をしても、彼らにとっては、すでに歴史的史実なんですよね」と声を落とす。

二人の団塊の世代のおじさんたちは、このようにして、異星人である学生たちと日々コミュニケーションに挑んでいることが判明したのである。他人事ではない。