古典から探る今日的なテーマ
日曜日、フラッと観たNHK3チャンネル。ETV特集 「21世紀のドストエフスキー 〜テロの時代を読み解く〜」
ドストエフスキーの長編『カラマーゾフの兄弟』が外語大の亀山郁夫氏の手で新訳出版されたそうだが、それが若者に好評で、30万部を突破したそうな。古典の長編としてはめずらしいことではないのか。亀山氏は「この本を翻訳できたことが幸せ」というような感想を言われていたが、すばらしいこの作品を翻訳できたこと自体至福だと言わせるほどの作品なのだろう。
若き日の私は長編の最初で挫折したが、ドストエフスキーにはなんだか親しみを覚え、1、2冊は読んでいる。が、いま思えば読みきれたとは言い難い。ストーリーを追うばかりで、とてもお気軽に読んだ気がする。いまは少しはましな読み方ができるのじゃないかと・・・。いづれ挑戦したい。
亀山郁夫氏が、金原ひとみ、加賀乙彦、森達也氏各氏とドストエフスキーについて対談をする形式。映像が挿入され、『罪と罰』、『白痴』(←驚!変換できない)、『悪霊』の作品にも言及しながら 内面にある善と悪、宗教、排除性・・・等々を語り合う。私には森達也氏との語りが特に示唆深かった。話を掘り下げていくと、驚くほど今日的なテーマが浮かび上がってくる。罪と罰と、その先にある「許し」。罪とは・・罰とは・・そして許しとは・・・?自分の中で、反芻したいテーマ。人間の深層に迫るいい話だった。
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