ある時代の空気
濃密な一日。
青山ABCにて内田樹×柴田元幸対談。『村上春樹にご用心』の刊行記念である。組み合わせはベストだろう。この組み合わせで翻訳夜話として一度聞いているが、今回もとても興味深い話でおもしろかった。その感想は後日。
終了後、ちょうど隣でやっていた「東京国際女性映画祭」に飛び込む。「バッコスの信女」の上映時間を5分ほど過ぎていて、檀上には主催の高野悦子氏。その後、主演の白石加代子、羽田澄子監督が次々に檀上に上がる。歴史的な女性たちを“生”で見ることができ「ワォー!」という感じ。以前に拝見したときと変わらず、むしろ若々しくさえあり、感激。
映画は1978年制作で、初上映だそうだ(ほんとうにラッキー!)。
酒の神バッコス(ディオニュソス)とそれを受け入れないペンテウスとのギリシャ悲劇。それを、あの鈴木忠志率いる早稲田小劇場スタッフが演じる。特異な身体訓練の模様から本番の舞台撮影。舞踏的な動き、衣装、途中で流れる当時流行の歌謡曲・・・時代を感じさせる。村上対談も1972年以前の話題。時代がシンクロし、感慨深い。
ペンテウスは白石加代子、ディオニュソスは能のシテ方観世寿夫(栄夫は弟)であった。存在感がありすばらし演者だった。ハンサムで艶っぽいのです。彼はその直後急逝(78年)してしまうのが、なんとも惜しい。
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