矍鑠とした姿
チャンネルを回すと鶴見和子さんの映像が流れていた。2001年「こころの時代」のアーカイブだった。
脳出血で倒れられ、左半身麻痺となった彼女は、介護を受けながら独りで暮らしていらした。右手と言語の障害がなかったことで、文字を書くことができ、頭脳明晰は益々さえわたっているように見える。とても饒舌であらゆることに即座に応えられていて驚いた。倒れられてから、形として残された仕事量は膨大。
1時間ほどを独り語り続ける。
すごいなぁ〜、あのように生きられたらいいなぁ〜と、のんきなことを思いながら拝聴。
不思議なことに、倒れられてから、かつて習っていた短歌という表現が浮上し、いまは歌で表現することが、一番ぴたりとくるそうだ。若き日は歌人佐々木幸綱に師事していたらしい。しかし、世の中の世情や使命感から短歌などやっている場合ではないと、封印していたということだった。
彼女は「回生」という言葉をよく使われていたけれど、確かに何かが加わって、より世界を広げられた感じを受けた。特に自然への感動と、人間は植物や動物と同等の自然の一部であることの認識の重要と、感慨を繰り返し言われていた。車椅子生活でも目がキラキラし、とてもおしゃれで魅力的な方だった。
「健康な病人というものがあり、健康な死に方があるのだろう」と言われたことが印象に残る。そして「死は最高のハレ」だそうだ!そういう心境にあることもすごいなぁと思う。
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