がん化の意味するもの
福岡さんと川上弘美さんが対談されている『新潮 6月号』から知人が引用している。
ガン細胞というのは古くから知られていますが、一旦は肝臓の細胞に、あるいは脳や皮膚の細胞になったのに、ある時、自分自身を忘れて逆戻りして無個性になって、無目的に増え続けて、全体の仕組みを乱してしまう存在です。だから、ガン細胞とES細胞というのは紙一重なんですね。ガンの究極的な治療法があるとしたら、そのガン細胞に「きみはもともと肝臓の細胞だったじゃないか。正気に戻りなさい」と言って、その細胞がハッと気づいて肝臓の細胞に戻ることです。しかし、ここ百年、世界中の科学者が最高の知恵を絞って研究しても、今なお、自分自身を忘れたガン細胞に自分を取り戻させることはできずじまいなわけです。だから、ガンがコントロールできない程度にしかES細胞はコントロールできないわけでして、ES細胞にバラ色の夢を語り過ぎることに対して、私はもう少し慎重じゃないといけないなと思うんです。(p202)
そうか、本来の場所での役割があったのですか。では、
がん細胞くんはどうしたら自分を取り戻せるのでしょうか?
がん細胞くんは存在する意味があるのでしょうか?
がん細胞くんの存在意味があるのなら、それはどういう意味?
この世に意味のないものなど存在しないと考えるならば、、、
がん細胞くんは何か役割を果たしているのでしょうか?
先日農薬を使わず、生態系に沿って、虫も排除せずに作物を作ってきた農家の方の話を聞いたのだが、農業などでも従来邪魔者にされていたもの、廃棄されていたものが、いま新たな価値をもってきていると感じた。その考えを人間の生体に転写してみたら、なにかが見えてくるかもしれない。
などと妄想が膨らんだ。周りにあまりにも癌細胞を持っている人が増え、なんとかならないものかと・・。
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