ひょんなことで演劇チケットがころがり込んできた。 体調不安だったが、幸い(こういうときだけ?)体調は上々。そのうえ、天気も上々。るんるん

老舗劇団による名作である。映画化もされているD.マメット作品。席も一等席である(私はそちらの方は不案内なり) 幕が上がった。
ちかっ! 役者でかっ!

目の前で膨大で激しい台詞のやり取りが繰り広げられる。まったく前知識なしで観たが、話の構成はおもしろくできている。前半、二人の組みあわせで三組が登場。それらが後半入り乱れ、見えない関係がだんだん浮かび上がってくるしかけ。

時代は83年ロンドン初演ということだから、その頃なのだろう。舞台はアメリカ。眉唾な不動産を販売する事務所。成果主義による熾烈な境遇にあるビジネスマンたちのそれぞれの姿。

成績をあげれば上質の顧客データーと褒章がもらえる。成果をあげなければ、価値のないデータ、それさえもらえない。

作家のマメット氏は「我々が表現するものは、時代の魂ーー芸術家によって観察され、表現された時代の魂ーーから生まれたものである。従って芸術家は社会意識を探る先発隊です」と言っているそうだ。20年以上も前のアメリカ社会の仕組みが、今の日本では妙にリアル感を抱かせる。そこに光は見えない。日本での初演は88年、20年も前だ。当時との鑑賞感の差はどうなのだろう。

舞台には携帯も、パソコンも登場しない。そういう時代でもあった。

(私的にはちょっと時代がかった演出だなぁという感じ。よくわからないが、軽快さのようなものが違うかなぁと・・・)
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