リアルな壁と青空

春日和。 頭の上の青空はぐるりと地球の反対までつながっている。平等に・・・。

先日パレスチナに何度か訪れ、写真を撮っている青年の展示に行った。unaにも来てくれていた人で、「今度パレスチナに行くんですよ」と言っていたOさんだった。写真は早朝から爆撃が絶えないガザ地区の人々の日常を撮っている。青空、カラフルな衣装、父と子、祖父と子たちとの笑顔・・。私たちと変わりない日常があった。

O青年は、しかし・・・と言う。笑顔で出会った彼らと、もう会えないかもしれない。爆弾を落とされれば、当然ながら、血が流れ、人々は死ぬのだ。そういうことなのだ、と。まさに村上春樹氏のスピーチ、脆い殻の卵なのだ。彼は会えて残酷な場面を出さずに、我々とつながる景色から、パレスチナの人々を少しでも身近に感じてほしいと願ったようだ。

以前写真家本橋成一氏から見せてもらった汚染後のチェルノブイリの景色も、色とりどりの花と青空の数々であった。美しさのなかに、汚染を見るということ。

パレスチナ

パレスチナ

パレスチナ1948 NAKBA

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海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

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ナージャの村

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