直に聞く言葉

直に話をうかがってみると、「ああ、そういうことなのか」「そこから出ているのか」「そういう筋道だったのか」といままでしっくりせずに浮遊していた言葉が落ちるときがある。

環境問題などで活躍されている辻信一氏の「スロー」の目指すところは、単なるファーストに対する時間や速度ではなく、そんな暮らし方から熟成してくる“つながり”であると知る。思いだけでは伝わりづらい。ましてや文字ではなおさらだろう。それをキーワードに改めて活動を見てみようと思った。

これまた高名な建築家の安藤忠雄氏の打ちっぱなしのコンクリート。美術館など自然と共存する、自然からはみ出さない彼の発想は共感しているのだが、実はコンクリートがイマイチピンときていなかったのだった。安藤氏の語り口から、手を加えずにずっとある「石」としてのコンクリート。自然の木材と石という発想。そのためのコンクリートの精度の研究は並々ならぬ独自のものなのだそうだ。やっとストンと落ちた(しゃれじゃなく・・)同時に自伝を購入したのだが、表紙の安藤氏の眼力にはただならぬものがある。激写アラーキー、恐るべし。

ハチドリのひとしずく いま、私にできること

ハチドリのひとしずく いま、私にできること

建築家 安藤忠雄

建築家 安藤忠雄