不自然なる死

このところ駅などでは年賀状を売る人の大きな声が聞こえる。ポストには「年始の挨拶を遠慮いたします」というはがきが届くようになった。もうそんな時期なのだ。

お連れ合いに先立たれた方、父母を亡くされた方。はがきにある年齢を見て驚いている。同世代なのだ。それよりなにより、知人が我らの世代を飛び越えて、先に逝ってしまった。まだまだ早いよ、みんな・・・


藤原新也氏の『メメント・モリ』のなかにあった言葉を想う。

あの人骨を見たとき、
病院では死にたくないと思った。
なぜなら、
死は病ではないのですから。

「死は病ではない」この言葉がショックだった。
死とは病ではない形で訪れるのが自然なのだということ。
そんなことをすっかり忘れたかのように、
現代は病によって死がリードされている。
自然に死ぬことが、きわめて困難な時代。

メメント・モリ

メメント・モリ