矛盾を生きる
すばらしい晴天の誕生日。日々生まれ続ける私のいのちに感謝。そして何かの死によって生かされているこのいのちに。
先週森達也氏をゲストに彼の映像作品を観ながら、いのちを考える会があり出かける。映像はどれも一度ならず観ているものであったが、また新たな感想を持つ。
・「放送禁止歌」
放送禁止歌というものがある。実際には禁止ではない。いわゆる要注意歌謡曲というやつだ。現場は面倒を避けて、流したがらない。自粛が更なる自粛を生んでいく。
「チューリップのアップリケ」
「竹田の子守唄」
「手紙」
「イムジン河」
などなど。
なかなか聞けない分、よけいにいい曲だと思う。
「手紙」
♪私の好きな みつるさんが
おじいさんから お店をもらい
二人いっしょに 暮らすんだと
うれしそうに 話してたけど
私といっしょに なるのだったら
お店をゆずらないと 言われたの
お店をゆずらないと 言われたの
http://jp.youtube.com/watch?v=ovxkY0HJLuk&feature=related
・・・・・・
「チューリップのアップリケ」
♪うちがなんぼはよ おきても
お父ちゃんはもう くつトントンたたいてはる
あんまりうちのこと かもてくれはらへん
うちのお母ちゃん どこへ行ってしもたのん
うちの服を はよう持って来てんか
まえは学校へ そっと会いに来てくれたのに
もうおじいちゃんが 死んださかいに
だれもお母ちゃん 怒らはらへんで
はよう持って来てんか
スカートがほしいさかいに
チューリップのアップリケ
ついたスカート持って来て
http://jp.youtube.com/watch?v=zFRlD_n7JFk&feature=related
6〜70年代の京都発。岡林信康の歌。差別をされている部落の人とのことや貧困の暮らしを描いている。イムジン河は南北朝鮮を分けている河へも想いである。
歌われてから40年にもなろうとするというのに、まったく時代遅れにならないという現実をどう考えればいいのか? 国のトップが差別側の当事者というこの不可思議・・。
・「よだかの星」
生命という矛盾 宮沢賢治の作品と動物実験をらせんに編む。醜さゆえに鳥の仲間から嫌われるよだかという鳥の物語。鳥たちからいじめられ、鷹からも改名を強要される。さらに、大きな醜い口で、虫たちを食べねば生きていけない自分という存在に絶望する。太陽や星になろうと懇願するが、相手にされない。それでもただ夜空を飛び続けた彼は、やがて体が青白く燃え上がり「よだかの星」となる。
その生命の矛盾と、人間の生命存続のための動物実験の立場と、動物保護の立場を交差させる。それぞれの立場に人はいる。答えはない。
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