虚空を見る

このごろボディワークに通い始めた。西洋医学ではどこも悪いところはないと言われる。病気として認知されない。だが、実際はつらい症状があるのだ。そういうような症状に対して、東洋医学とか代替医療は、病状認識をしてくれる。そしてその症状に応じた処方もしてくれる。

だが、そういう症状はたいてい生き方にリンクしてくる。生きる姿勢とか、考えるクセ、生活態度など。従ってそのあたりが改善していかなければ「治る」に至らない。そこが、悩ましいところなのである。

知人がいろいろと情報やアドバイスをくれる。太極拳、ヨガ、民間療法的なものも。どれも一応やってみた。だが、通い切れなかったり、時間が折り合わなかったりで、どれも続いていない。今回はハンディ(早朝!)はあるものの、生活リズムも変わるかと思い、トライすることにした。

基本は気功だが、いろいろな要素を含んでいる。重い病気を抱えた人や、高齢の方も多く、動きもゆるやかで運動不足の私にはちょうどいい。なにより型にこだわらないのがいい。

指導の先生は、言葉かけをして動きを誘導してくれる。宇宙の気を抱くとか、気を入れるか、気を返すとか。そんなとき、「虚空を見る」という言葉を言われる。なんとなくわかる気がするのだが、無になるのか、瞑想するのか・・・とあれこれ考えあぐねていたら、「どこまでも続く青空をイメージすればいいのです」と言われた。ほっとした。指の間から、快晴の青空を見るようにイメージすればいいのか。

実際は、長くするうちに体感できる類のもので、言葉であらわせるようなものではないのだろう。しかし、具体的な言葉をかけてもらうと、とっかかりができる。そのうち「ああ、こういうことかな?」と感じるときがくるだろう。そこで迷ってしまうと流れが止まってしまう。そういうおおらかさがいい。

要は深い呼吸をするためではないかと思った。そのためには体内の空気を吐き切ること。そうすれば、吸気は自然に起きてくる。からだの隅々まで空気の交換がおこなわれ、からだが循環する。ボディワークの動きはそのためのもの。そう考えるとすとんと腑に落ちた。