団塊おじさんたち

ソメイヨシノは終わっていたが、代わりに八重の桜が満開である。地元でおいしいパン屋とコーヒー屋を探しがてらブラブラしてみた・・・水辺にカメを発見。

汗ばむほど歩いたところに、自家焙煎をしている店があった。店内には生のコーヒー豆が並んでいる。注文を受けてから、焙煎をしてくれるのだ。イスに座り、本を読みながら、焙煎を待つ。焦げた香りがしてきたので、中をのぞかせてもらう。焙煎が終わり、即冷風でひやしていた。ローストは深入りが好きである。少し浅いものと2種類焙煎してもらう。団塊世代前後の店主が、いろいろとコーヒーの話をしてくれる。好きなんだろうなぁ、きっと。

そこから程なく半間ほどの小さな入り口の古本屋があった。高校生が出入りしていたので、マンガが多いのかなと思いながら入ってみる。マンガも多かったが、なかなか興味ある本が並んでいる。しばし背表紙を眺め、必要があって読まねばならないマンガがあったので、店主にたずねてみた。快く出してくれる。ついでに同じ作者の絶版本を推薦してくれた。なんでもビル改築のため閉店するのだそうだ。そこから話し好きの本屋さんの話がはじまった。

興味ある本が揃っているのは、会社員だった店主が本好きで、自然に集ってしまったものを売り出したのがはじまりということで、その年代に活躍した作者たちの本が並んでいたというわけである。安倍公房(かなり揃っている。たぶん初版本)、大江健三郎吉本隆明・・・となると、やはり団塊おじさんなのだろう。たぶん。
当分本は買うまいと決意したにも関わらず、ついつい買ってしまう。つげ義春丸谷才一幸田文、藤村、道元・・・キリがないので会計を済ませ早々に立ち去る。

リアリズムの宿―つげ義春「旅」作品集 (アクション・コミックス)

リアリズムの宿―つげ義春「旅」作品集 (アクション・コミックス)

たった一人の反乱 (講談社文芸文庫)

たった一人の反乱 (講談社文芸文庫)

きもの (新潮文庫)

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今後、街には団塊おじさんが溢れることだろう。果たして帰ってきたおじさんたちは、地域とどんな関係を作り出していくのだろうか・・・。