初笑い

去年のうちにチケットをゲットしておいた立川流家元の独演会。談志と言えば帰ってしまったり、来なかったと噂の多い方だが、いままで聴く機会に恵まれなかった。今回は地元の小さな街だったので、チケットが取れた。なんと主催は知っている人だった。長年個人で落語の高座を企画してきている。夕食を終え、お風呂に入ってきたというような地元のおばさまなどが目立ちぐんとローカルな気分。いいねぇ、手作りな感じ。


その前にCDで談志の落語講釈を聞いて、唸った。彼の落語に向き合う姿勢はただものではない。齢70を過ぎてもなお格闘している感じである。話はライブでその場の話題を入れながら、あらゆる落語からエッセンスを取り込みながら、でも実はライブのようでいて、緻密な選択があるような話しぶり。一緒に行った、最近落語にはまった知人はただ「すごい」「すごい」を連発。それしか言いようがないのはこちらも同じ。古典芸能は常に前衛である。壊しながら、創り上げる。だから、“今”であり、現代に生きる人へのヒントがいっぱい詰まっているのだ。今年のマイブームの予感。

立川談志遺言大全集(10) 落語論(一) 現代落語論