身体を粒子で捉える

創始者池上六朗氏から聞いた三軸修正法三軸修正法の考え方はちょっとビックリ&大いに納得した。
治療法や健康法には、身体をどのように捉えるのかで、さまざまな角度からのアプローチがなされている。この三軸というのは、いままでの身体の捉え方を超えていた。まだまだイメージとして捉えられただけなので、その範囲で理解したことをまとめてみる。

例えば主訴が腰痛とか肩痛、こりなどの場合を想定してみると。
西洋医学や、体調整の整体などは解剖学的な身体をイメージし、筋肉や骨などの障害を物理的に処置・調整するもの。針灸やヨガなどは、気や血液、体液などの流れの滞りを感知してそこにアプローチするもの。
そう考えるとき、三軸法は、身体を個体としてイメージしない。身体の要素を細分化していき、粒子の集合と捉える。そしてその粒子の状態を観察するのだ。粒子の密度の密か粗か。粒子間の影響を考える。とすると、筋肉が、骨が動いているのではなく、個々の粒子が反応し、動いているということが言えてくる。(まるで量子力学だ)

創始者の池上六朗氏は航海士であったため、常に地球の位置と身体の状態を気にしてきた。例えばいま自分は地球軸のどこにどの方向にいるのか。つまり北極に立つ場合と、南極に立つ場合、身体の回転方向が違う。で、北緯45度に立つ場合、自転により、身体は北に傾く。本来その身体の姿勢が楽なのである。しかし、身体はそれを自然に矯正しているのである。

だから身体に不都合が出てきた場合、まず身体が楽な姿勢をする。その状態から施術を行なっていく(そこからはまだ未知)で、その無理な姿勢をしている人が隣にいると、隣の人が無理な身体になってしまう。そこで実際に実験をしてみる。痛みのある人が、楽だけれど曲がった姿勢を取ったときと、無理をしながら姿勢を正したとき、周りの人の身体のやわらかさをみる。明らかに楽な姿勢をとった時のほうか、周りの人たちの身体がスムーズなのだ。世界は粒子でつながっているということであり、お互いに作用し合っているということなのだ。これも「中国の蝶の羽ばたきがアメリカで雨を降らす」という非線形理論とかの分野に通じる話で、説明がつきそうだ。

またこの考え方は武道家甲野善紀氏の武術に通じる気がした。彼はナンバ歩きで有名になったが、彼の技は一瞬にして方向を変えてしまうというようなことで、やはり身体を粒子状態まで細分化して、粒子レベルで変化させるというような話をしている。大きなマグロが方向転換するのは大仰になるが、鰯の群れで考えると、一匹づつなら瞬時に方向転換できるという理論だ。

ひとまず、ここら辺までをお話くださった。このような身体の捉え方をして、長年研究実践してきた池上氏の施術法とはどんなものか興味津々である。