“すぎた時間”の味

unaの調度品はほとんど新品を使っていない。もらい物とかあずかり物。買っても中古の物。そんなスペースなので、新しいものは似合わない。友人の実家で以前に使っていたイスをあげるというので、スタッフの車で取りに行くことになった。大田区の彼女の実家の近くで待ち合わせる。いつもよりだいぶ早くに家を出る。(実は義母宅のすぐ近く)タクシーで行くが、バス停の名前と車での交差点の名前を勘違いして、迷ってしまう。が、車の方はスムーズに到着。

最低20年は経つ緑のビニールのイス二つ。それにレコードラックに入ったLPレコード。手提げに入れると意外にたくさん。どうにか車の中に入れる。お母様へのお礼もそこそこに、中野へ。

環七は意外に空いていて、ほどなく到着。レコードラックは自分用と思っていたが、結局unaに置くことにする。イスは少し手をいれないといけないなぁ。休日をさいてくれたSくん、ごくろうさまでした!

彼女は最近お父様を亡くされ、発病から介護を予想して、実家の荷物の点検、整理をしていた。物を大切にしてきた世代なので、使用しなくなっても丁寧にとってあったそうだ。以前食器セットももらったが、昭和3、40年代、その時代のにおいがした。紅茶などは特別なときにしか飲まなかった。お祝いとか来客のときに、箱から出している母の姿が重なる。そのときのオシャレな気分。時を経てきた古さは、復古調のものでは決して味わえない。