ライブ空間に浸る

度々書いているけれど、情報は重なるもので、またべてる関係の話である。ビデオ「ベリーオーディナリーピープル」などの監督S氏からお誘いがあって、大塚のライブハウスに行く。精神病当事者のSくんが歌を作ったりライブをやったりしているので、彼のCDを作る企画がずいぶん前からあったそうだ。でもスタジオ録音となると、彼は固まってしまい、なかなか実現に至らなかった。そこでライブのまま録音しちゃおう、となったのである。彼の歌は何度か聞いているが、なんといっても詞がそのままいいのだ。

会場に行くと満杯状態。後部のイスに座ろうとすると、前から呼ぶ声が。まん前に何人か知人がいるではないか。「あらぁ、来ていたの?久し振り〜」とKさん、K介さん、Kさんと3Kさんと対面。それからTさん。さすがべてるの引力。それだけでこころウキウキ状態。

Sくんは楽屋で固まってしまったが、Sくんコールして、程なく登場。私だって、緊張するよ、こんな大勢の人たちの前では…。見事に歌い終わったから、すごい精神力だ。助っ人にやはり当事者のK嬢。それにバックのギター。いいねぇ。自分達の向かう姿勢とか、祈り、世間の偏見とかを言葉にしている。刺さるようなものもあるし、浄化されるようなものもある。合間に聞こえるバックのギターの音がまたいい。

本当の順調(べてるでは問題が出たほうが順調という考え)に進み、コンサートは終わった。あたりまえだけど、疲れたようである。お疲れ様。その後はDr.川村とべてるの主のようなHさんとのトーク。三部は沖縄のシンガーソングライター知念良吉さんのライブ。そこでもバックでギター氏の素性を知った。はぎわらのぶよしさん。淺川マキさんのバックを努めていた方だそうだ。どうりで!思いを引きづるようなギターの音色、シビレました〜。

K、K介さんとその友人のK嬢(この方もKさん!)4人で食事。作業所所長、ディケアーのワーカーK介さんの福祉大学の同級生Kさんと精神障害者関係の仕事をしている人ばかり。彼らは友人になったあとから、べてるを知ってから、その仕事に従事するようになったのだ。ほかに友人で同じケースが二人いる。これも不思議な縁。私の友人だが両者はお初。Kさんの持参した意識についての分厚い本、『神々の沈黙』神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡に興味が集った。