びわとさくらんぼ

知人の誕生日だという報告に、太宰治の命日、桜桃忌でもあると書かれていた。そうだった。確かにさくらんぼの季節ですね。さくらんぼが好きな私は、でも日本のさくらんぼは少々値が張るので、なかなか買う勇気がでない。アメリカンチェリーの方が早く出ているので、それを何度か買って食べていたのだが、やはり日本のさくらんぼのほうが美味しいと思う。先日がんばって(何を?)さくらんぼとびわを買ってきた。びわも好きなのである。すごいリッチな気分。ほんのりした豊かな味がする。

一時、さくらんぼとびわをそれぞれに送ってくれる人がいた。この時期は、めいっぱいさくらんぼとびわを食べたものである。樹で熟したもので、それはそれはおいしかった。
びわはあの大きな種と種の間をちゅっと吸うと出てくる、ほんのすこしのうす甘い果汁がたまらない。幼いとき、憧れの叔母さんから手作りの毛糸のブローチをもらった。それがびわのブローチで、すごくオシャレになった気がして、大事にしていた。そんな思い出も関係しているかもしれない。このごろはびわの葉の方がお世話になっているかな。お茶にして、皮膚には葉のエキスをとか、温灸もしたことがある。
びわの皮をむきながら、もし重篤な病状で、最後に「食べたいものは何?」と聞かれたらメロンよりはびわだなぁと思った。そう、熟したあんずもいいかなぁ…。