対等な対話

茂木健一郎脳講座。脳と癒しの最終日。オペラ「タンホイザー」の部分を鑑賞。なにせ、英語字幕だからイマイチ感動に欠ける。むかーし、ちょこっと音楽の講義で、ワーグナーの話を聞いたことがあるが、覚えていないしー。
で、最後は今回のテーマである正統「脳と癒し」に立ち返り、資料は心理学のカール・ロジャースだった。これも全編英語。とほほ。

ロジャースの名前はよく知っていた。「受容と共感」。周りに彼を評価している人が何人かいるし、彼が生み出したエンカウンターのこともよく耳にする。しかし、実際に勉強したり、ワークショップを体験したわけではなかった。彼は1902年―1987年に生きた人と聞いて驚いた。そんな昔にクライアントとの関係を、一人の人格と人格という対等な対応や、相手の主訴を否定せず、まず受容することを説いていたなんて。

茂木氏はそのワークショップを学生時代に受けた体験があった。彼にとってそれはとてもいい体験となっていたことを、前日にふと思い出したそうである。私はその中で彼が言われた、何時間もインタビューをしていく先に行き着いたという創造的感覚の体験に、共感を覚えた。私も何時間も同じ相手とインタビューをし続けた体験があるが、そのときに感じたある至福の感覚がある。相手と自分の境界が消えたような、脳を共有したような、自分自身というものが環境に溶け込んだような……感覚。
そして茂木氏が、フレンドリーで、閉じていかない関係の作り方や、違いや対話を好む態度も、そこからのつながりもあるのかな、などと思ったりした。