『空中ブランコ』

奥田英朗の小説が続けて映像化されるという。直木賞受賞作の『空中ブランコ空中ブランコを読んだときに、これはドラマにしたらおもしろいと思った。というかおもしろさが映像的だと思ったのだ。しかしハチャメチャなキャラの精神科医伊良部一郎の面白さを出すのはむずかしそうだ。それが、前作の『イン・ザ・プールイン・ザ・プールは映画、『空中ブランコ』はTVになるらしい。やっぱりなぁ。
さて、問題の主人公の精神科医伊良部だが、映画では松尾スズキ。彼のマニアックな異常さを観てみたい気がする。いいかも。TVでは阿部寛。コメディタッチの変なキャラクターを演じているので、それなりに想像がつく。

本での精神科医伊良部はあまりにもメチャクチャなキャラで、「バカバカしい」と思いながらも、次の患者はどんな症例で、その処方は如何に? とつい興味が前のめり、気がつくと読み終えていた。そしてバカバカしすぎると思いつつも、また伊良部の処方箋を読みたくなるのである。いつの間にかこちらも伊良部のペースにはまっている?
読み進むうちに実はそのメチャクチャな行動にはパターンがあることに気づく。ネタばれしそうなので、ココまでにするが、その真意を奥田氏に聞いてみたい気がしている。

話題を戻して、キャラクターの話の追加。小説が映像化される際、こちらが抱いていたイメージとの間にギャップがあると失望する。どうも気持ちが乗らない。今回、私のイメージしていた伊良部像は、だいぶ違っていた。本によれば大食いでデブなのである。それでギャハハと笑う。となれば・・・キャイ〜ンの天野くんが適役ではないだろうか・・・と勝手に想像していたのである。いかがでしょうかねぇ、みなさんは。因みに川上弘美『先生の鞄』センセイの鞄も違った。