脳は正確に記憶できる臓器じゃない再び

今週の『アエラ』の表紙になった茂木健一郎氏でしたが、茂木脳講座のまとめであります。例の如く英文のため、あくまで自分の理解の範囲。

「偽記憶false memory」についてのレポート。同じカテゴリーの言葉をいくつか言う。そして後で、その言葉を言ったかどうかをチェックするという実験。例えばcoldのカテゴリーとすればice,wet,water,freeze,darkなど。そのなかで本当に言ったのはwater,wetだとする。しかし、他の単語も言ったかと訪ねると、言ったと記憶している確立が高い。どうもお互いが脳の近いところに収納されているのではないかということだ。で、実際に言った単語はtrue memoryと言うのだが、言わなかったけれど言ったと記憶しているものをfalse memory と言うのだそうだ。

興味深かったのは海馬と傍海馬回での認知の違いだった。海馬ではfalseとtreuの区別をしない(できない?)ということである。つまり海馬は意味を扱ってしまうからだそうで、傍海馬回の方は事実を事実として記憶する。意味記憶エピソード記憶の違いが分野で出てきている。幼児で恐ろしく正確な絵を描いてしまうが、簡単なコミュニケーションが取れないサヴァンという障害があるのだが、彼らにはおそらくfalse memoryはないのではないかと茂木氏は言っていた。

そのサヴァンの関連からも言えることかもしれないが、false memory偽記憶は、言葉を変えれば「創造」と言えるというわけである。
話は飛ぶが、人は「あっ!」と自分で気づいたことは忘れないという側面がある。それをoneshotleaninngというのだそうだ。訳せば一発学習(センスいい言葉じゃないね)。そこから学習=創造ということも言えてくるというわけである。(おもしろい展開になってきた)創造と記憶とはベクトルが違う気がする。

因みにfalse memoryのほかに screen memoryというものもあるのだそうだ。それは、遮蔽するために作る記憶。トラウマはどちらかと言うとfalseだが、screenは、傷つかないように、都合の悪い記憶に蓋をし、都合のいいような記憶をつくり出してしまう。このあたりからだんだん今回のテーマ癒しにつながっていくのかと想像する。楽しみ。