雪景色のトビ館

いまは卒展の時期らしい。東京都美術館で卒展をやっているという芸大の“あぶらの君”たちから、情報をもらい、出かける。前日私的な用件で郊外まで外出し、お疲れモードだったが、今日限り、しかも午前中までと聞き、タクシーを飛ばした。(が、実は情報主が日程を勘違いしていたようで、26日までだった。とほっ)というわけで、これは25日の話。

最初隣の五美大卒展に入ってしまった。りっぱなパンフに「?」を抱くが、案内嬢に聞いて来たわけだから間違いない、と思い、進むが、どうも変。改めて聞くと、芸大は隣なのだそうだ。「芸大だけ独立してんのね」。見慣れたパンフをもらい、厳粛に拝見させてもらう。

途中K嬢に会い、場所を聞く。(なにせ時間がないと焦っているわけなので)何人かの顔なじみの人たちの作品。油絵科なのに、あぶらあぶらしているものがない。アニメだったり、スーパーフラットな感じだったり、立体だったり。大作の隣に母校に残していく自画像が並んでいる。Uくんのは簡単な線だが、すごく雰囲気を出している。四コマ漫画(?)のHくんは上野近辺の地図。作品も自画像も現代詩ダ。地図、けっこう好きだったりする。

その日、パフォーマンスの予定のSくんに会う。もうその世界に入り込んでいるのか…作品の場所だけボソッと教えてくれる。写真でしか見ていなかった作品を見る。彼の作品は不思議なのだが、感覚に直接くる。触感に訴えてくるのだ。残念だが、パフォーマンスまでは居られないなぁ。で、最後は工芸科に。縁というのは不思議なもので、unaの新スタッフは工芸の4年生だったのである。これも織り染めの大作だった。

体力は疲労していたが、彼等のアクティヴな熱情に、大いに元気をもらう。雪景色が残るロビーに座り、羨ましいような、うれしいような気持ちに抱かれていた。前途ある才能に乾杯!