佐藤雅彦!

たまたまTVで観たアニメーション。あれをアニメーションと言うのだろうか、全く違うアプローチなのだ。刺激されるところが違うという感じ。作者は佐藤雅彦日本のスイッチ。佐藤研の作品群だった。おもしろい、超おもしろい! 佐藤雅彦氏は有名コマーシャルを数多く手がけている売れっ子作家だということは知っていた。雑誌でも記事を読んだりしていたけれど、アニメーションは観たことなかった。(何かで、どこかで見ているかもしれないけれど…)

なんと言うのだろうか、視覚からせめたり、ストーリからせめたりするものとは全く違う。いちいち説明ができないのだが、数式を視覚化したという感じだった。数学的にはわからないが、たくさんの数式が図形化している気がした。(本当はそれがわかりたかった。わかったら何倍もおもしろがれたと思う。残念!)「この世にあるものは数式で説明できる」と聞いたことがある。まさにそうなのだろう。

もっとおもしろかったこと。視覚と脳での認知の不思議。ランダムに多数のドットがうごめいている。その画面の上下にひとつのドットがランダムな動きをしている画面が現れる。と、上下のドットの動きと同じ動きのドットが見えてくる。3つの画面から浮き出た3点の同じ動きが見えてくるのだ。同じようにして、同じルールで動いているドットたちだけが浮き上がり、ある形が見えてくる。それは脳の認知というかー脳の編集力の問題ではないかと思った。世の中のある因子を意識すると、そればかりが見えてくるようになる。そんな作業を脳内でしているのではないか。

さらに興味あること。先述のランダムなドットの中に、カットインといって、一瞬顔の形のしたドットの絵を挿入する。一方アニメーションのなかで、一瞬ランダムな動きのドットが顔の形に整列する。両者ともに脳は認知するが、脳の刺激は断然カットインのほうが激しく感知する。しかし意味の抽出度としては同等なのだという。「へぇ〜〜〜」。

例えば何かの軌跡が点線で描かれる。それをエンピツを持った手がたどると、ノートに文字が書けている。エンピツの筆さばきの軌跡だったのだ。そういう目からウロコ的な切り取り方が、たくさんの作品としてある。おったまげ佐藤雅彦研究室!