恐怖のブルドーザー

こんな押し詰まって、怖いニュースが飛び込んできた。スマトラ島付近で起きたという地震。なんとマグニチュード9。中越地震でも驚いていたのに…想像がつかない。なんでも阪神大震災の時の1400倍のエネルギーだそうだ。今回は海底だから建物崩壊とか土砂崩れではなく、津波だ。日本でも津波警報はよく出ているが、あまり切実じゃなかった。今回はそののんきなイメージが壊された。土砂崩れとはまた違う怖さだ。河川は堤防というものがあるが、海岸は無防備だ。海抜が急に何メートルもあがっちゃうという感じ。しかも強い波を伴って。まさに波のブルドーザーである。

被害はインドネシア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカケニアまでに及ぶ。天災というものには、国境なんてないのだ。国の区別なく、平等に起こる。逆に自然の恵みもそうであるはず…なんて、こんなときに妙なことを思っていた。

海面が上がる。温暖化でも言われていることだが、海岸を越え、ホテルなどがみるみる水面に隠れる様をみて、つまりこういうことなのだな、と思う。私は東京東部のゼロメートル地帯に住む気にならなかった。高層マンションが林立しているが、どうも怖くてならないのだ。あの映像を見て益々その思いを強くした。昔、小松左京の『日本沈没日本沈没〈上〉 (光文社文庫)という物語があったが、なんだかそれを彷彿させる出来事が続くよなぁーー。