点と線

TVでデジタル画像を簡単に説明していた。いまさらながらだが、改めて「ああそうか」と思ったことがある。デジタルは限りなく細分化し、平均値を点化したものだった。そもそも複写画像とは、そういう処理方法だった。その細分化された領域、つまり点は境界を持った同色均一な空間。隣接点はやはり、微妙に変化しているが、均一色彩の空間なのである。つまり線と言えども連続していないのだった。

先日、茂木健一郎×布施英利対談で、浮世絵→漫画=スーパーフラット村上隆論までが話題になっていた。浮世絵、日本画は書などの影響か、毛筆で描く線に文化がある。そこが西洋と異なる。と。
実際、自然界には輪郭線というものは存在しない。点描技法はそれに近づけるための技法だったかと想像する。それを、線で描く日本画や墨絵。なんだかそこに独特の視覚概念を感じる。洗練、熟練された線だからこそ、省略が可能になる。デジタル的な点描とアナログ的な線だが、アナログの線が抽象的に空間を捉えているというのがおもしろい。

話はまとまりがつかない方向にいきそうだが、書道や日本画など、職人技の「線」がある。その線の勢いというか、引力に圧倒されることがある。線の生命とでもいうような…。で、「そうか」と思ったのは、「線は連続している」ということ。一気に書かれた線に込められた思いや勢いは、切られていないんだということ。点と線の違いは決定的かもしれない。