脳の多動状態

ミーティングの前にM氏と打ち合わせ。飲食の店をやるM氏がこのごろ店に来る若者の「はしゃぎ」が気になるという。空騒ぎというか、ガチャガチャしたうるささ。私もなんとなく感じる。鬱を潜めた躁状態とでも言うような、本当のうれしさや明るさではない。なにかをごまかしているような…。これは全体の空気とも言える。
で、彼はボーっとすることがなくなっているのではないかと言う。彼の言うボーっととは、何も考えない状態。それは黙って一人で考えるということでもなく、何かに熱中する時に訪れるものだと。共感ダ。

いま、私たちの感覚器官は情報や刺激に常にさらされていて、ある種脳の躁状態にある。一人で黙っていても脳は何かしら情報をキャッチする。不必要に思考が渦巻く。安らげない。何かに集中、夢中になっている状態というのは、意外に脳は他の情報を入れていないのではないだろうか。となれば、脳は安らかになり、こころの波立ちは押さえられよう。

こころの奥の声、からだの声を聞けとよく言われはするが、それがどういうことか、私はまだよくわからない。ただ、外からの受信を断ったならば、内からの発信が起きてくるような気がする。こころが静まり、真の言葉が聞こえてくるのは、そんな状態にあるときではないかと、思い至った。ただし、脳科学的根拠は全くない。