生命と美

脳とこころ講座。今期は「美しいと感じる脳」である。大いに関心のあるテーマだ。前回は欠席した。茂木健一郎氏はいつも最先端の学術資料をひとつ用意してくださる(英語)。今回は美というテーマに関係したもの。女性のいくつかの体型のパターンを水着姿のイラストにしてに、どんな体型が好みかという調査報告。バストとヒップの差の大小と体重の大小。世界と隔離された生活をしているペルーの民族は太っていて寸胴の体型を魅力と感じていたそうだ。まるで美人コンテストのような類型のしかた。世界でも物議を醸したそうだが講座でも物議を醸した。これが最先端の科学者の意識?と女性の私としても首をかしげたくなった。ちなみに研究者は全員白人男性。

それはともかく、前から気になっていたことがある。なぜ夕日とか朝日、月とかを見ると感動するのだろうか、ということ。古来から同じ営みがくりかえされ、毎日見ているものであるにも関わらず…夕日などは涙が出そうになったりする。こころ打たれる。
「美」とは、形体的色彩的にきれいだというだけではなく、もっとからだというか、腹の底に訴えてくるものではないだろうか(子宮の場合もある)。衝撃波、まさにこころをノックするような波動に打たれる。それはなにか生命の切実さから発せられている気がする。命を維持し継続していく種としての切実。そこに届いているものが、古来からからだに刻まれてきた記憶DNAを震わせるのではないか。そんなことを思った。そこには文脈などはない。