たくましいぞ、琢磨

めずらしくスポーツ系のイチローについて書いたが、続いてF1レーサー佐藤琢磨について書きたい。たまたま、彼に同行取材をしたTVを見たのだ。そうか、上海の次は鈴鹿でのレースが控えているんだった。F1は亜久里以来、いま世界的に注目されているのは琢磨くらいか。

野球の場合はチームプレーとはいえ、記録への挑戦は比較的個人の力量が反映されやすい。しかし、カーレースの場合はチームすべての状態が順調に行かないと結果に現れない。ドライバーの実力がいくら優れていても、結果になかなかつながらない。それに天候や事故というハプニングで一瞬にしてパーになることも多々ある。いい成績を保つのがむずかしいスポーツだ。そんななかで、琢磨はなかなかいいポジションにいる。エライ。

今は英国在住の彼は、10歳(たぶん)の時に両親に鈴鹿のレースに連れて行ってもらって以来、レーサーになる夢を持つ。以降長い視野で、周到な準備と念入りな計画をたて、実現に向け努力してきた。アプローチにおいてイチローと似たところがある。彼もいち早く会場に入り、コースの下見などをしていた。見えないところでの努力を想像させる。

フェラーリチームに参加しているブリジストンタイヤのエンジニアーを追ったドキュメントを見たことがある。エンジン、タイヤ、ドライバーなどの各部署のテクニカルレベルが揃わないと、成果が出ない。タイヤひとつをとってみても、瞬時の微妙な判断が要求される。裏方は戦場のよう。つくづくカーレースはチーム力だと思ったものだ。で、HONDA琢磨チーム日本GPガンバレ。