主電源が切れていますよ

先日三砂ちづる×内田樹対談に行った。両者ともに、津田塾と神戸女学院という女子大の教授である。でタイトルは「身体・女・教育」。三砂氏は過激なタイトルの本(asin:4334032664)を出し、フェミニストから強烈なバッシングを受けているという。さもあらん。結婚しない女はオニババになると、オニババ伝説で結婚しない女性を警告しているのだから。
疫学者である彼女の言いたい事は、公衆衛生上の健全なる性的エネルギーの行方と身体能力の欠如に対しての危惧なのである。極めてまっとうなこと。一番ツボに来たのは「主電源は股間だ」という言葉。性的なことも意味するが、いまや自然が薄らぎ、人工的、化学的製品が氾濫し、生物としての身体をにぶらせているという。特に下着、生理用品と股間部は石油製品に覆われ、そこに主電源のある身体は無意識にもセンサーをOFF状態にして、身を守っているというのだ。従って他の電源も切れてしまっているために支障がでてきている…。生命体としてのセンサーが鈍くなっているのではないかと、うすうす感じていた私には、面白い比喩。

彼女は長く厚生労働省にいて、ブラジル滞在が長かった人。それもあって、靴が苦手。下駄を愛用するに伴い服装は着物となり、役所にも着物通勤とあいなった。毎日着物着用から見えてきたこと。着物は楽で合理的、涼しい。彼女はいまや紐一本と帯でOK。帯の中はポシェットになる。熱の逃げ易い首の三角地帯は開いているし、わきの下は風が通るし、足元からも風が入る。この夏も着物オンリーで通したそうだ。着付け教室の弊害が着物を窮屈なものにしている。西洋下着に和服という組み合わせの矛盾が着物を暑くるしいものにしている。彼女は下着も和風にした。結果、涼しいのだそうだ。下駄は外反母趾もなく、バストだって帯でアップされる…。
男性ではあるが、ちょうど島田裕巳氏の『女はすべからく結婚すべし』(asin:4121501462)という過激タイトル本も出たばかり。一つの流れになるのかな? 対談の続編があるそうだ、楽しみにしていよう。