鏡リュウジハリーポッター

「脳と仮想」講座の最後は対談だ。脳科学茂木健一郎×占星術研究家鏡リュウジ氏。科学と非科学的、まったく異質な世界の取り合わせと思っていたが、語られたことはかなり重なりあっていた。まず両者の立ち位置が似ていた。茂木氏は「脳科学者と言われたくないんですよね」と言うし、鏡氏は占星術師ではなく、研究家とつけ加えている。二人とも渦中というより辺縁にいる人。そこからそれぞれの世界を見回していた。

鏡氏はユング研究家でもあるのだが、宇宙の成り立ちと意識、無意識、さらに深層の無意識と、心理学の構造が同じであることに気づいたことから、両方に興味を抱いてきたという。また質問にあったセラピーと占いの違いについて「しゃべる側の違い」と言われた。つまりセラピーはクライアントが、占いは占い師がしゃべる側であること。確かに。癒す手法が違うんだ。内側からと外枠からのアプローチ?

今回のテーマである「仮想」は茂木氏によれば「現実にないものだが、切実なるもの」だそうで、ヴァーチャルとは違う、どちらかと言うとイマジネーションに近い感覚であるそうだ。それからすると、占星術というのは、ヴァーチャルなものではなく、仮想。現実の宇宙論とはステージの違う、宇宙に重ねられた仮想世界でのことなのだと解釈した。当たる当たらないではなく、名前を変える変えないの世界でもない。(その道筋で考える危険を鏡氏はメッセージしていた)だが、古来から人々の生活を支えてきた世界観であることは確かなことであろう。

魔女の話などを聞いているうちにそこには鏡ハリーポッターの世界が…。