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朝カル茂木健一郎講座では4歳児の稚拙な絵と、SAVANの子の絵の話。SAVANという障害は4歳児でも非常にリアルな絵を描く。模写能力がずば抜けている。しかし幼稚な4歳児の絵の方が、脳としては高度な働きをしているという。SAVANは幼稚な絵が描けないのだ。抽象能力が欠けているのだそうだ。抽象化能力かぁ。興味が湧く。

そして、宗教哲学者鎌田東ニさん主宰東京自由大学での対談。さらには芸大での講義と、茂木ウェークになった。芸大ではさまざまな分野の聴講生がいて彼等がまたおもしろい。茂木氏はmono cultureの危険を常々言っているが、さすがここは多様多彩。

抽象性にもどる。モヤモヤと考えが連鎖する。なぜ脳は抽象化するのだろう。他人にも自分にもより伝わり安く(記憶)するためか。抽象とは共通のパターンに置き換えてみること。つまり共通性を持つためだと言えないだろうか。相手の中にもある共通の鋳型に置き換えていく作業。たとえば南伸坊氏の顔を相手に伝えたいとする。頭部より下顎にいくにつれ広がり傾向にあり、顎が張り気味で、顔の面積のわりには目鼻立ちはこじんまりしている。髪は白髪混じりの短髪。…などといちいちの説明は面倒、相手も想像しにくい。それを「おにぎり顔」と言えば一発だ。しかし「いわゆるおにぎり顔です」と表現できる相手はおにぎりを知っている人に限るのだ。

「おにぎり」と表現した人の脳の作業を考えると実に興味深い。金属性ではクオリアが違ってくる。この人の脳、センスいいね。