遊びを作り出す力

子ども評論家の斎藤次郎さんは57歳で青森県の小学校に留学した人で『気分は小学生』の著書がある。いかにクラスに馴染み、同級生として一緒に過ごせるか。そういう視点で過ごした日々での気づきにはドキッとするものがある。その彼を久しぶりにTVで観た。育てる対象、導く対象としての大人の視点ではなく、子どもに寄り添う気持ちが徹底している人だなぁ。

その中で「心底楽しむ体験が今の子にはないのではないか。子どもは、何もないところから遊びを見つけたり、おもしろくするためのルール作りには長けているのに、いまはすでにある遊びが多い。そのためか『君のおもしろいことって何?』と聞いても『知らない』と言う答えが返ってくる」と話していた。へえ、そうなんだぁ。遊びを作り出す、その毎日の繰り返しに自然と養われているものがある。集中する力、注意する力、困難に立ち向かう力、力を合わせること…とか。もちろんそれが思考力や創造力につながる。

また「わかる喜びを知ると、わからないことが苦ではなくなり、疑問や問いを持つことが楽しくなる」。まさに。これは実感である。「けれど、わかり方やわかる時間、わかるきっかけは、それぞれに違う」。これも実感。スローな私はいまごろになって見えてくるものがあったり、わかったりして家人にあきれられているが、その喜びは格別なのだ。

この気持ちの体験は、結構大事なことにつながると思うのだが、いかがだろうか。