2)人の痛みはこころを生む?

(つづき)
講義はハイテク画像(さすがソニー。PCはMacだったが…)を使い進む。小林秀雄氏の講演テープを聞かせてもらったりした。彼はなんだか親しげな話し方だった。あのスマートでいかにも切れ者の容姿とはギャップあり。茂木さんは小林秀雄を尊敬し、影響を受けている様子。私にはまったくの遠い存在。

それから脳の研究レポートの解説に入る。資料は英字(!)の文献。画像を使ってくれたのでなんとかついていけた。それはあるカップルの一人に痛みを与えて両者の脳内を観察する実験。脳のどこが反応(ACC≒脳が発するアラームらしい)するかというもので、その痛みや苦痛を感じている分野、度合いが写真やグラフで示されている。ところが実際には苦痛を受けていない相手にも、同じ分野で同じような反応が起こっていたのである。自身は何も刺激がないにもかかわらず、痛みの反応が起きる。「人の痛みを感じる(感情移入)」ということが脳の反応からも実証されたのだ。これはすごい。人の苦悩を見ているだけで、身体的に変化が起きる。


このような反応が感情と言われるものであり、「こころ」と言われるものになるのではないのか…。共有できる記憶、それから相手への共感、愛情が存在する関係では、同等に痛みを感じているということ?それはとてもうれしい報告だ。そう言えば妻がつわりで苦しんでいるのを見ていて自分もつわりになる夫がいると聞くが、同じ現象なのかなぁ〜?


ここで妄想的ヒラメキ。…ということは〜、このような変化のシステムが解明され自在になれば、感情のあるコンピューター(ロボット)が可能ということか?