熱き熟年

ずーっとロックマガジンを発行している人物、渋谷陽一氏をひさびさに新聞記事で拝見。52歳になるという彼は、季刊『SIGHT』を発刊した。「大人の屁理屈と対抗するのは、青臭い正論しかない。ロックという永遠に青臭い青春的音楽を看板とする出版者の役割は、そういうところにあると腹をくくるしかない」と編集後記にあるそうだ。彼は20歳で、最大大手のロック雑誌から、原稿が難しいと言われ、依頼が止まったことから、自分が書きたい原稿を載せるために『ロッキング・オン』を自ら創刊。以来延々続けている。


今回も既存の雑誌への挑戦だ。「硬派も軟派もイージーな作り方。読者の欲しい情報を提供していない」と言い切る。漂白する現代の日本人に方向性になるような雑誌を作りたいと意気込む。ロックと社会的なテーマが自然に並列する雑誌。


相変わらず「熱い」52歳である。私はロックファンと言うほどではないが、好きな曲がいくつかある。そして政治的なものも読みたい人間である。ひとりの人間の中には雑多なものが混在している。今後の見通しは全く立っていないというが、がんばって欲しいな。加齢によって見えてくるものがあると思うし。