クール&ホット

昨日は、姜尚中宮台真司トークセッションに行く。いま姜×森巣博の『ナショナリズムの克服』を読んでいるが、姜さんの生い立ちは壮絶だ。1950年生れという年代の上に、在日、しかも両親が北と南の出身という厄介な生育環境。時代の波をもろに受け、いまもそのつながりの中で、奮闘されている感じだ。森巣氏は48年生まれで、彼は逆に根無し草のように民族とか国境を無視するように、妻は外国籍で、家族でオーストラリアに移住。海外に生きる人。お互いの境遇が違うが、反対のベクトルで、いま近い位置に居る感じがした。

で、今回の組み合わせは姜×宮台の共著『挑発する知』(双風舎)出版によるもの。お二人の組み合わせでのトークは何度か行なわれている。司会の方の「ズバリ」な質問に、まず姜さんが答え、それを受けて宮台さん。イラク戦争拉致問題などについて。いまの中東情勢を、満州事変のよう、ネオコン関東軍、という例えはわかり易く、姜さんと年代が近いせいか、感覚がにてるなぁ・・などと思う。二人の息も合っていて、興味深い話が聞かれた。長いスパンで歴史の流れを見て、今を判断せよという静かな檄。サイン会が始まる前に宮台さんに声をかけた。「こんにちは」「ああ、久しぶりですねぇ、元気でしたか?」。二言三言。宮台さんには企画を何度かご一緒していただいている。

お二人から、一般市民である我々の「民度」をあげよと、尻をたたかれた感じ。