キラキラ

野口晴哉という人物がいた。自身がからだを何とかしようとする力を信頼してからだのことを研究していた人。野口整体創始者である。いまは『整体入門』・『風邪の効用』が出ている。その野口氏を尊敬し、影響を受けたという寺門琢己氏の話を聞いた。彼も診療室を開きながら『やさしいからだ』など多数の著作がある。若いギャルにはカリスマ的存在らしい。会場はやはり若い女性が圧倒的だ。


サーフィンで日焼けした肌に、Tシャツにジーンズ。タイトなスカイブルーの柄入りTシャツは、胸筋の充実を感じさせる。顔はキラキラ輝き、目線はシャープ。が、話し方は意外にやわらかい。ちょっと甘えたような感じで。体育系と癒し系。この出入りがカリスマとなる資質?


ミーハーな視点はこのくらいにして、真面目に言ってかなり納得。
彼自身の生い立ちから。「他人のからだを他人は治せるのか」という、究極の問いを持つようになった経緯。それを聴いただけで「元は取った」。自分を語ることで、その人の道筋がわかってくるからだ。そういう話し方をする人に、私は関心を抱く。


64年生れの彼は当時珍しく予防接種や解熱剤を使わない家庭で育つ。父親も大学でからだ工学のようなことを研究していたらしい。母親が野口整体に通う。だから熱を出しても、足湯などをしながら、自分のからだは自分で調整しなければならばかった。そんな彼が9歳のとき、父親に口腔癌が見つかり、あっという間に亡くなってしまった。下顎切除手術を選択しなかった。整体治療は受けてはいたのだがあえない結果に。そんな体験から「からだ」に興味を持ち、研究をしてきた。いま野口晴哉氏のように自分を実験台にしている感がある。


多忙の彼自身も日々自己メンテナンスをしているそうだ。そういう実際があるから、説得力があるのだろう。近々に『かわいいうんち』の本が出るらしい。