七草

あっという間に七草である。マーケットに七草の買出し。昨今は野に摘まずとも、お手軽セットが売っている。かなり割高だし、安易かなと、ちょっと躊躇したが、買ってみることにした。いつもは大根、かぶにセリくらいで、あとは人参や菜っ葉類でごまかすが、さすが、“ほとけのざ”まで揃っている。トントンと全てをみじん切りにして、お餅を入れ、塩味のきっちりとした「七草がゆ」を食す。

七草は「おせち料理に疲れた胃腸を癒すため」という古人の生活の知恵である。おせちとは本来ハレの日の料理で、贅沢なものだったのだろう。しかしいまやおせち料理は健康食。からだを冷やさない根菜類の煮物や酢の物。豆類、小魚。しかも保存がきくスグレモノ。これからは「日頃美食で疲れている胃腸におせちを」なんてことになるかしらん。