初笑い

日暮里まで“初笑い”に出向く。奇しくも昨年を落語で締め、今年を落語で始めることとあいなった。懇意にしているW嬢が落語に熱心で、特に立川談春をひいきにしている関係で情報が入りやすいのだ。今回はとり。初体験が独演会だったのでどうしても情が湧くというもの。しかも文七元結という有名な人情ものだった。本日は新春にちなんで色もので、満員の会場を大いに沸かせる。

談春という人はなんとも言えない自然な味を持ち合わせている。語っている彼と江戸の話の間に違和がないのだ。まさに「持ち合わせている」という感じだろう。知識とか手法以前のものだ。それはラッキーなことだが、人に手渡するのは難しい。空気とか間とか、そういうつかみどころのないものだからだ。大仰に言えば「文化」とでもいうようなものを伝えていく困難を思う。 落語の世界は全く不案内だが、組織が4つもあるそうな…。「芸」の世界は相性もあるし、難しそうだなぁ。