したたかに蔓延ろう

先週時間を勘違いして見逃してしまった番組がある。ゲストに阿川佐和子さんがお話を聞くという30分番組「サワコの朝」である。気がついて、急いでチャンネル合わせた時は残り時間5、6分の時点。残念無念。

ゲストは生物学者の長沼毅氏。辺境の地に生きる生物を研究している。極寒地だったり火山口だったり、深海だったり。研究対象は他の惑星の生物までも及ぶ。キャラクターも面白い方なので、科学界のインディージョーンズと呼ばれたりしているらしい。

何年か前に初めてお話を聞いたとき「なぜあちこち研究分野を行き来するのだろう」と不思議だった。研究分野として深海だったら、海洋生物のなかの深海生物学者というように、分野が細分化されているような印象があったからだ(医療とかを考えてみても…)。

ほどなく「そっか長沼氏の究極のテーマは<生命そのもの(起源?)>にあるのか」と気づく。となれば非常に興味深い。以来興味を持っている。

それで、今回の番組出演の話に戻るのだが、最後の数分のお話がとても心に響いた。現在、生命体として存在しているわれわれ人間は、過酷な環境の変化を乗り切り生き延びてきた種である。
確かに現在はボディとしては脆弱になっているかもしれないが、生命(魂)はそんなに軟じゃない。相当に蔓延る力はあるはず。「はびこっていきましょう!」。
なぜかグッときた。元気になった気がする。

その前に、人間は内部にも外部にも何兆もの微生物がいて、微生物と共生している生命体。普通に落ちたもの食べたりしますよ。というような発言に、大いに共鳴していたので、全編見れなかったことが返す返す残念だ。

私の衛生観に影響している本も紹介してみる。(随分昔の話ではある)

辺境生物探訪記 生命の本質を求めて (光文社新書)

辺境生物探訪記 生命の本質を求めて (光文社新書)