訃報

PCを立ち上げ、開いたニュースのトップページに、動物行動学者の日高敏隆氏が亡くなったという報。まったく予想していなかったニュースにショックを受ける。


最初彼の名前を聞いたのはずいぶん前になる。当時の知人に縁のある人がいて、よく名前があがっていた。生物には興味なかった私だが、その関係で彼の訳書コンラート・ローレンツの『ソロモンの指環』を読んだ。こういうことを研究している人たちがいるのかと、人間の関係の持ち方などにかぶせながらおもしろく読んだ。


その後はTVなどでよく拝見するようになり、おしゃれできさくな方にびっくりしていた。
それからまたずいぶん時間が経ち、昨年思いがけずお話を聞く機会にめぐまれた。もちろん重ねられた歳月相応のお姿になっていらしたが、お元気で、来年は南米に蝶を見に行く計画があると言われていた。


猫や犬を飼ったこともなく、ペットにあまり興味を持たない私だが、いま深海生物からゴリラなど、動物の生態に興味が向くのも、スタートは日高氏の訳書・著作によるものだったかと思うと、感慨が深い。79歳は現代ではまだお若い。残念です。どうぞ安らかに・・・


ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

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利己的な遺伝子 (科学選書)

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