こころをとどめない

「こころをとどめない」とノートに走り書きしてある。
気になった言葉や文を忘れないようにと、メモしておくのだが、このごろはその詳細も心もとなくなっている。この言葉も、あの方だったか、その後に会ったあの方だったか・・・ どなたの言葉だったのか、記憶が判然としない。 情けないことである。


それはともかく、
こころが、ある想いにとらわれていると、とどまった位置からの視点でしか見えなくなる。諸行無常、こころも常ならむもの。 したがって「こころ、つねに進むべし」と、そんな意味をこめて言われた言葉だったと思う。しかも横にそれたり、後ろに進むことなく、前に進むべし。


過去の辛酸、または栄光、そこにとどまっていては、本来の自分を生きたことにならないのではないか?その想いを引きずって生きているのではなく、こころを放っておく。常にアイドリング状態にし、右にも左にも、いつでもどこへでも移動可能にしておく。快不快や良い悪いという基準ではなく、とどまらせない、そういう様態が精神的自由ということかもしれない・・・ そんなことを思った次第。