朱を入れる効用

ある人から文章を見てくれと頼まれた。ときどきそんなことをしていたので、気軽に引き受けた。わからないところや、未整理なところを書き送った。のだが、実は意外にも苦戦をした。いままでほとんど他人の目を通したことがないという文章。間違いだけなら指摘し易いが、違和感とかまだ未熟な思考、要旨のズレといったものを、どう整理に向けて伝えたらいいのか、表現と方法に苦慮したのだ。十分に関係ができているとは言えない人に対して、どこまで踏み込めばいいのか。

送信してからは「判読できただろうか」から始まり、傷つけただろうか、逆に気づいただろうかなどといった気がかりが次々と。「表現には注意したけれど、結構辛らつなことを言っているから、落ち込んでいるのかなぁ」・・・などなど、頭の中をさまざまな思いが駆け巡る。受信のメッセージが来ない。期日に間に合うのかとまた気になる。考えたら相手がどんな生活リズムかも知らず。(間抜けだね)

「受信した」というメッセージをもらいホッとする。こんなことひとつで、これほどまでの思いが想起する事に、自分自身驚く。清書した文章が送られてきた。Good!すっごくよくなっているじゃない。バッチリ伝わっていた。未整理な文章から整理された文章の間に起きたであろう「思考のあれこれ」を思う。こちらもいい刺激を受けた。なかなかいいかも。