「映画日本国憲法」

I嬢と本がらみで環境や人による影響力などしみじみとした話をしたあと別れて、中野のゼロホールに行く。「映画日本国憲法」の完成記念上映会。「チョムスキー9・11」を撮ったジャン・ユンカーマン監督作品。同じくシグロの企画である。
シンポジウムの整理券を取るために、早くに行ったがすでに二回目の人たちが並んでいる。シンポジウムは満杯で入れないと言うではないか。「えー、チョムスキーの時もそうだったんだよぉ」とガッカリしつつも、とりあえず並ぶ。前売りは持っていたので、多少の出入りがあれば、なんとかなるかもしれない。幸い、中に入れた。
シンポジウムは日本語の達者なユンカーマン監督と週間金曜日編集委員、漫画家の石坂啓さんに森達也氏。彼はカナリヤ諸島から帰って来たばかりだという。そのカナリヤ諸島にはなんと9条の石碑があるのだそうだ。石坂氏はTVにも出ているだけあり、コメントがうまい。

映画は想像以上だった。個人レベルできちんと考える問題だと思わせる。構成は世界の賢者たちのインタビューを編集したもの。そうそうたるメンバーが登場する。『敗北を抱きしめて』の歴史家ジョン・ダワー、『世界がもし100人の村だったら』の政治学者Cダグラス・スミス、戦後民間での憲法草案の制作に奔放した元民生局ベアテ・シロタ・ゴードン、政治学者日本政策研究所長チャールマーズ・ジョンソン、シリアの民主活動家ミシェール・キーロ、班忠義映画監督作家、マサチューセッツ工科大教授・言語学者ノーム・チョムスキー、アル・サフィール新聞編集長ジョセーフ・サマーハ、慰安婦問題の韓国挺対協・共同代表シン・ヘス、歴史家姜・マンギル、歴史家ハン・ホング。そして日本人はパリ在住の作家・社会学者の日高六郎氏のみ。

ユンカーマン監督に「日本に住み、日本で働き、日本で家族を育んでいる全ての人に、なぜどのようにして書かれたのか、そしてどうすればその精神を守り、広げていけるかを考えるよい景気となる」と言わせてしまったほどに、日本人は知らない。日高氏が最後に、「これを国内問題にしてはいけない。国際問題なのだから」と言っているのが示唆深い。世界の(知性ある)人々は日本の平和憲法の力に期待し、敬意を表す。DVDを買った。。『映画日本国憲法』の本も出ている。
8月から渋谷ユーロスペースモーニングショー。大阪や鹿児島、憲法記念日には津と高知で上映。