過去から歴史に

高田渡死す。バーボン・ストリート・ブルース風貌からしフォークソング界の神様という感じがしていたが、まだ56歳だという。からだがよくないとうわさは聞いていけれど、ちょっとショックだ。北海道の釧路でコンサートがあり、当日演奏は無事済ませ、未明に入院。そこで亡くなったそうだ。
高田氏と旧知の友人M氏の話だと、糖尿病が進んでいたそうだ。同じく過激なバンドで活躍していたY氏がふらっと彼を訪ねてきて、「アイツが逝ったよ」と言える仲間がいなくなったことが寂しいねぇと話していったと言う。

1960年代から70年代にずいぶんとたくさんのシンガーが出てきた。大抵はシンガーソングライターで曲にメッセージを乗せたものが多かった。いま聞くと元気だ。現代の姿が重なるが、当時を思えば、みんな20歳前後だったはず。怒鳴りまくったり、しっとりして情緒的だったりと、いろいろな表現、切り口があった。現代の音楽事情に詳しくはないのだが、どうなのだろう。世情のわりにはなんだかおとなしい気がする。その年代だからできることがある。それが年配者にしてみれば未熟であっても。「ものわかりがいい」というのは若者の持ち味じゃない。